コピーの今とこれから_2/3

TCC(東京コピーライターズクラブ)50周年特別企画のトークショー、
『コピーの今とこれから』。レポート、2/3です(初回はこちら)。

クリエイティブディレクター・佐々木宏さんの

「1992年のJR東日本「その先の日本へ。」はCMのど真ん中にある言葉が企画にもなっていると思えた。CMをキャッチフレーズで思い出す」

というお話のつづきから。

 

佐々木さん:「祝!九州」も「MY FIRST AOMORI」も、CMの題名にはなっているけどキャッチフレーズにはなっていないな、っていう。その差は大きいと思います。そこはCMプランナーとコピーライターの確執っていうかね(笑)。これはあんまり言いたくないけど言う流れになったんで言いますけど‥‥。

秋山さん:(笑)

佐々木さん:きっと亡くなられた眞木準さんも同感だと言ってくれると思うんですが‥‥「その先の日本へ。」は、コピーライターの秋山さんが受賞されて、もちろんプランナーも受賞したんですが、眞木準さんがコピーを書いた「東北大陸から」というキャンペーンは、眞木準さんは受賞されなかったんですよね。

佐々木さん:で、その年に岡(康道)くんが獲った2つのCMの2つともコピーは僕が書いたんですけど、僕も受賞しなかったんですよ。

谷山さん:眞木さんのことを言いつつ自分の恨み節じゃないですか(笑)

佐々木さん:いやいや眞木さんも同感だと思ってるはずなんで一応。ま、ほんとに大変なのはCMプランナーで、一行書いたくらいでもらうのは申し訳ないよな、っていう風に納得もしているんですけど、ただ、そんな感じで(スポットを当てる対象が)曖昧になってきたのが一時期のTCCだったんですね。こういうことを露骨に言うのは僕くらいなんですけど。

谷山さん:(笑)

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コピーの今とこれから_1/3

TCC(東京コピーライターズクラブ)50周年特別企画のトークショー、
『コピーの今とこれから』に行ってきました。

12月15日(土) 開場14:00 開演14:30-16:00
テーマ:『TCC50周年特別企画 コピーの今とこれから』
秋山晶氏(TCC賞/ライトパブリシティ)
佐々木宏氏(TCC賞/シンガタ)
司会:谷山雅計氏(谷山広告)

今年50周年をむかえるTCCの歴史をふり返りながら、
コピーの今とこれからをざっくばらんに語り合っていただきます。
ここでしか揃わない超豪華パネラーの競演をぜひ。

TCC公式サイトより)

いまさらこのお三方についてここでご紹介するまでもないですが、一応うちの親のために書いておくと、司会の谷山さんは新潮文庫の『Yonda?』や東京ガス『ガス・パッ・チョ!』、資生堂TSUBAKI、佐々木さんは『TOYOTA ReBORN』やソフトバンクの犬のお父さんシリーズ、『そうだ 京都、行こう。』、秋山さんはキリン ラガービールの『人は、人を思う。』やキユーピーの広告など(もっとあるけど乱暴に割愛!)を手がける、そうそうたる面々。

壇上に古めかしいモノクロテレビが鎮座しており、そこに50年分の日本の広告(CM)が流れるという趣向だったらしいですが、砂嵐しか映らなくなったらしく‥‥そんな機材トラブルに見舞われつつスタート。審査員ならではの本音が飛び交うトークショーでした。

※会場で速記しましたが、きっとここだけの話も多分にあるだろうなと思い、一部、僕の判断で割愛しています。

 

谷山さん:今日はよろしくお願いします。秋山さんは50周年の1期目の新人賞でしたっけ?ですよね?佐々木さんが1986年の新人賞、僕が87年の新人賞ですよね。

佐々木さん:いや〜、谷山くんの司会がキッチリしすぎてるから、どうも僕はそういうのを壊したいタチで(会場 笑)。ちょっとこのテレビどけてもいい?(笑)

秋山さんそこに美人が居るのに見えないよね
(昭和のテレビいきなり退場)

 

Q:おふたりがもっとも「いま」を感じたコピー・広告は何か?

佐々木さん:僕の(コピーの)代表作といえばすぐ『ダメ、ゼッタイ。』っていう麻薬撲滅運動のコピーが取り上げられて。なんと20年以上使われているんですけど、これといった賞も獲れず、TCCからも無視され(笑)、しかものりピーも出てたっていうね(会場 笑)。

僕はTCCが好きでずっと関わってきたんですけど、ある時期からわかんなくなってきたんですね。僕もCMプランナーで受賞してきた仕事もあるんですけど、2000年代からTCCもCM作品が獲るようになって、「どの言葉がいいか?」っていうことじゃなくて、いつしか大キャンペーンが受賞するようになった。それだとACCとかADCとかと変わらないね、という思いがTCCの中にあった時期もあったんですよ。言葉よりもコマーシャル、キャンペーンにスポットの当たりがちな時代がつづいた。コピーにスポットを当てようという動きもこれまであったけど、かといって、わざわざキャンペーン系を外して「ひっそりしたコピーを探そう」というのも極端でおかしな話で、そんな感じでTCCがちょっと迷った時期があったんですね。でも審査委員長の仲畑さんが「今年、コピー イケるんじゃないか!」と元気に言い出してね。それで、僕も「コピーって、コピーライターって、いいんじゃないか?」とまた思いだして。スギちゃんの「ワイルドだぜぇ?」よりも世の中に広まる言葉をコピーライターが送り出さなきゃ、って。

で、今年?よかったコピーって、そんなになかった(笑)。まずはじめに言いますと、磯島(拓矢)くんと東畑(幸多)くん、グランプリおめでとうございます。九州キャンペーンはぶっちぎりでグランプリを獲って、よかったけど、どれがコピー?っていう思いもあって。まさか「祝!九州」ってのがコピーとして獲ったんじゃないよなぁ?とか思う。キャンペーンでグランプリを獲るのは今年の九州新幹線までで、来年からは「このコピーで獲ったな」ってのがわかるようにしたい。このキャンペーンがもたらした素晴らしい偉業というのはあって、逆にこれがグランプリじゃなかったらおかしかったんですけど、ただ、言葉はどこにあるの?っていう。来年は「このコピーで獲ったんだな!」と思えるものが出るように、言葉を探す先頭に立ちたいなと思います。

2012年度TCC賞 グランプリ「九州新幹線全線開業」シリーズ

 

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2011年の末にhungryの話

きのう、深夜にかなりグダグダと書いた駄文の方向性をもっと深く、スパッと言い当ててくれた動画がアップされていたので引用します。

2011年12月4日に行われたmyJapan Conference 2011での広告批評元編集長・東北芸術大学教授 河尻亨一さんのプレゼン。14分少々の動画ですが学生さん向けに分かりやすく、淀みなく話されるのであっという間です(さすが)。

 

テクノロジーとコミュニケーションの融合 次の広告とは?

 

きのう書いた「最近めっきり なんだかなぁの広告」に対して、コミュニケーションとテクノロジー、そしてクリエイションがキーになるという話はしっくり来ます。そのことは今年のカンヌで実際に河尻さんとお酒を飲みながら語ったことでもあるので、あの晩を思い出した気分です。

CREATIVE KITCHENに行ってきました。#03

「CREATIVE KITCHENに行ってきました。」
Vol.01Vol.02に引き続いての3本目。

 

世界の広告はいま。今年のカンヌ100連発!
岸 勇希氏(電通) × 木村 健太郎氏(博報堂ケトル)
× 嶋 浩一郎氏(博報堂ケトル) × 樋口 景一氏(電通)

 

の続きです。1ヶ月以上前のことを記憶力とメモだけでどうぞ。

 

左から、嶋さん、樋口さん、木村さん、岸さん
(手前左の男性はスープストックの遠山社長!)

 

木村さん:
「賞を獲るためのコツなんてものがあれば僕も知りたいけれど、受賞するものには3つの方向性があると思います」

 1:誰よりも早くやったこと(先駆け)
 2:誰もOKしにくいこと(偉業)
 3:いつ誰がやってもいいけど誰もやらなかったこと(盲点)

Comment→
3番目は「盲点」って言ってたかどうか、うろ覚え。

 

木村さん:
「例えばコカ・コーラのFriendship Machineなんかは3番ですよね」

 

岸さん:
「今年は節目の年です!ってこの6年くらい毎年聞いてる気がするんですが、要は、カンヌは自分の中での発見でしかない。金銀銅の色を見るな、自分がどれをいいと思うかを素直に見ろと。賞を伏せてひとつの事例を徹底的に分析すると、その人の血肉になる。あと、たくさん見る。どれがすごい、ではなくて、とにかくたくさんの事例に触れられるんだから、見まくって学べばいい。今は公式サイトでも見られる」

 

 

嶋さん:
「ボジョレー・ヌーヴォーも、今年は100年に一度の当たり年です!って毎年言われてるんだよね(笑)。CMは受賞前のショートリストにあるうんこ作品も大量に見るといいよね。世界中の人間の欲望の固まりが見えてくるから」

Comment→
カンヌ勉強会でも仰ってました。

 

木村さん:
「カンヌがあることの意味‥‥ファッションにパリコレやミラノコレクションがあるように、広告にもそういう場があってもいいと思う。僕はカンヌからいろんなものをもらったから、自分からも何か返したいと思ってます」

岸さん:
「日本に戻って説明会をすると、(他人の偉業を取り扱うが故に)敗北感しか残らないし、要素を(体よく)抽出したことしか切り売りできない」

「日本からカンヌに出したくても、純粋にいいものが出せないこともある。カンヌではシンプルでなければ届かないから。あいまいなものをあいまいなまま扱う勇気を持っていたい。何度も言うが私はプレーヤーでありたい。生産と解釈・批評はちがう」

「批評の眼はやたら新しいものごとに向かいがち。よく聞くのが、『これは新しい!感動した』‥‥新しいから感動するのか?人を感動させるために何かをやって、それが結果的に新しいことだったのなら分かる。新しいものを礼賛しても無意味。だからこれからのカンヌに何を求めるとか、どうなるかとか、興味ない」

Comment→
的なことを仰ってました。発言は前後してるかもしれません。

 

このメニューのメモは以上です。

 

最終的に木村さんから河尻さんの流れできれいにまとまって拍手に包まれ終了でしたが、岸さんの話が相変わらずまっすぐで面白くて、多めになってしまいました。この人の講座を受けてみたい!と思い、先日のコミュニケーションデザイン実践講座に繋がるわけです。

実際にはもっと皆さんまんべんなく話され、100連発!とまでは行かないまでも、もっといろんな事例ムービーを流されていました。ほんと、作品の鑑賞でよかったのは学生までなんですよね。カンヌの現地で河尻さんと語り明かした夜を思い出しました。

 

さて、この他にもまだまだ面白いメニューがありましたが、気が向いたら書きます。

ひとまず、

 

おわり

CREATIVE KITCHENに行ってきました。#02

さて、前回からかなり間を置いての
「CREATIVE KITCHEN」まとめVol.02。

 

世界の広告はいま。今年のカンヌ100連発!

岸 勇希氏(電通) × 木村 健太郎氏(博報堂ケトル)
× 嶋 浩一郎氏(博報堂ケトル) × 樋口 景一氏(電通)

 

・手元のメモ帳だけを頼りに記述します。
・口調などは僕の記憶から成るフィクションです。
・再現をやめて、個人的に刺さった部分だけを抽出します。

 

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コミュニケーションデザイン

土日と体育の日で三連休でしたが、三連勤でした。
連休最終日は会社に泊まり、ぶっつづけの作業で朝を迎えましたが、土曜日の朝から夕方までは宣伝会議の「コミュニケーションデザイン実践講座」というやつに通ってました。

 

コミュニケーションデザイン実践講座

開催日 9月29日(木)、10月8日(土)、10月22日(土)【3日集中】
時間 10:00~17:15
講師
石田茂氏(電通)/岸勇希氏(電通)/木村健太郎氏(博報堂ケトル)

 

座学の講義ではなく、課題が出されてグループで企画を練り企画書を作って全員の前でプレゼンするまでを繰り返しながら、「コミュニケーションデザイン」を「実践」していく講座です。これが面白くて仕方ない。

メディアにとらわれないって、なんて夢が広がるんだろう。夢のままじゃいけないぶん頭使うし大変なんだけど、Webに限定しないってことが自分にとっては快感。年齢も経歴もちがうメンバーが集まってやる共同作業も、僕の班はいい人たちに恵まれたのか、とてもスムーズで楽しい。

 

先日は2回目、電通の岸さんとケトル木村さんによる回でしたが、「本気でやります」の宣言通り、本音がビシバシ飛び交う。詳細は書けないのですが、そんなスリリングな講評会の中でも僕らの班はなかなかの結果を(ひとまずは)出せたと思います。アイデアを評価されるって何よりもうれしいもんですね。自分がプレゼンターだったので喜びもひとしおです。

次回、2週間後の最終回に向けてさらなるブラッシュアップをせねば。

講座が終わって岸さんと名刺交換した際に、「コアアイデアがいいと、枝葉のアイデアも一気に拡がるんです」と言われたのが印象的でした。勝手にシナプスが繋がり合う瞬間というのが、たしかにあった。しかもプレゼンの15分前に。それまでは未完成もいいところで、一気に手直しをしたのでした。PC持っててよかった‥‥。

(他にも印象的な言葉だらけだったけど口外NGなので書けまへん)

 

今の仕事も同じで、ギリギリまでブラッシュアップしてたら連休とかなくなった。
楽しいしやりがいもあるんだけど、そろそろ宣伝会議賞の〆切も気になる季節。

あと、某テレビ番組に夫婦でちょこっと出演します。
10月は濃い一ヶ月になりそうです。

CREATIVE KITCHENに行ってきました。#01

CREATIVE KITCHEN

 

銀河ライター主宰/元「広告批評」編集長の
河尻亨一さんよりお誘いメールをいただき、

『Creative Kitchen ―ヒトとテックとコトバのレシピ―』
に行ってきました。

サブタイトルは「クリエイティブ×テクノロジーの可能性、幸福な関わり方を10のプログラムを通じて考える」

 

「クリエイティブ」の「キッチン」なので、プログラムは料理、登壇者はシェフと呼ぶそうです。9月23日(金・祝日)と24日(土)の2日間にわたる多種多様な料理たちに、シェフは広告業界から出版、アートまでそうそうたる面々。そのトレビアンな全メニューを、ソムリエに扮した河尻さん(似合いすぎ)がキュレーションする形で進行されました。

 

僕は全プログラムに出たわけではないので、2日間を通して個人的に「おぉっ!」と反応した部分を中心にメモっていきます。例によって長くなるんで、プログラム単位で連載していきます。それと、記憶を辿って書くので正確性に欠ける部分があるかも。ここ違うよ!という場合は、関係者の皆さま、ご指摘ください。

 

では、MENUの1つめから。前菜と言うには高カロリーな内容でした(いい意味で)。

 

気鋭のウェブディレクターと編集者が考える。10年代のヒット論
加藤 貞顕氏(ダイヤモンド社) × 佐渡島 庸平氏(講談社) × 中村 洋基氏(PARTY)

 

加藤さんはあの『もしドラ』を売りに売った仕掛け人。佐渡島さんは『バガボンド』『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』『働きマン』など大ヒット漫画を世に送り出してきた気鋭の編集マン。1979年生まれってことは僕の1コ上!で、同じく79年生まれの中村洋基さんは元電通で今年のカンヌではサイバー部門の審査員をされたクリエイティブディレクター(先日イロイロお話ししたばかり)。遅れて入ったので、加藤さんのお話はほとんど聞き逃してしまいました‥‥。

 

加藤さん:
「ベストセラーをざっくり分けると、恋愛・青春・家族・健康・お金…の5つのうちのどれかなんです」

「もしドラを売るときに意識したことは、読者、書店、メディアの三者とも顧客であるということ。それぞれに効くプロモーションを考えることが大事。メディア向けには、ワールドカップの最中だったから海外遠征中の日本代表にごそっと献本してみたり。『なんか本が大量にあるんですけど何ですか?』って遠征先から聞かれて『チーム論についてお役立ていただければ‥‥』と(苦し紛れに)話したら『岡田監督(当時)はもう読んでますよ』と!それがきっかけになって原作者と岡田監督との雑誌上での対談に結びついたんです」

佐渡島さん:
「本は面白いだけじゃ買ってもらえない。面白いかどうかは読まないと分からないから。いかに読む前に面白いと思ってもらうかが勝負なんです」

「売れると一口に言っても、10万部売れるのと100万部売れるのとでは意味が違います。10万部は本に書かれていることが好きな人だけが買った数字。対して100万部は興味の無かった人たちも買った数字。広告とか周りのムードに流されて何となく買う人も含まれてくる。だからノイズも多くレビューされる。つまんないとか、くだらないとか。それでも伸びる作家は100万部を目指すし、それで潰れる作家だと思えば10万部の段階でプロモーションをやめます。マンガは毎週出るので長期プロモーションできるんです。その中で考えていきます」

 

Memo →
編集者は適切な売れ方の文脈をデザインし、ディレクションする。

 

佐渡島さん:
「『宇宙兄弟』の小山宙也さんの才能は、まず自分の意見があること。これがない作家は意外と多い。いちばん大事です。例えば、もともと小山さんは手書きの線に味があった。でもその味がくどすぎて、僕は『定規を使ってください』とお願いして矯正しようとした。それで小山さんは定規を使い始めたけど、細かいギザギザをわざと刻んだ定規にしてきた。そうすればたしかに直線なんだけど、微妙なゆらぎは残る。今でこそフリーハンドでも味を残したきれいな直線が描けるけれど、最初から何でも鵜呑みにする人ではなかったですね」

中村さん:
「へぇ~!!!」

佐渡島さん:
「そして、ゼロからやり直せる人。作品として合格のものを上げてきたときに、『小山さん、これ面白いけど超面白くはないですね』と漠然とした戻しをしたら、まったく違うものを再度持ってきて、ちゃんと前よりずっと面白いものになっていた。ふつうの漫画家はちょっと直すだけです。それなら『ここが限界なのかな』とこちらも引き下がる。でも彼はどんな時もゼロからやり直せる人なんです」

「あと、小山さんは編集者の『面白いですね』のニュアンスを嗅ぎ分ける。『ん~、面白いですね‥‥』だと描き直してくる。一度描き上げている時期というのは、その後の入稿やら印刷工場やら流通やら、いろんな人に影響を及ぼすウェイトが高まっている時期なんだけど、彼は最後の最後まで、いい意味で周りを気にしない。振り回されない人なんですね」

中村さん:
「面白いなぁ!『ドラゴン桜』はどうだったんですか?」

佐渡島さん:
「あれはホリエモンにダメモトで送ってみて、そしたらブログで紹介してくれたんです。その直後に2~3万部動いた。下手したらテレビの情報番組(ブランチとか)に紹介されるより動いたかもしれない。あと、自分が灘校出身だったので、先生に読んでもらって『灘校教師も読んでいる!』と帯に書いたり、友達のお父さんが京大教授だったので、読んでもらって‥‥とか(笑)」

読みやすい絵と所有したい絵は違うんです。また、所有したい絵と感情表現できる絵もまた違うんです。『ドラゴン桜』の三田紀房先生の絵はそういう意味で変わっていった(※話し合いながら、そう仕向けることも編集の仕事)。この話でいえば、例えば井上雄彦さんの絵は読みやすくて所有したくて感情表現も上手い。喜怒哀楽の幅が本当にこの4つしか描き分けられない作家というのもいますから」

中村さん:
「佐渡島さんって超エリートなんですよね。ご自身が灘校から東大出身で」

佐渡島さん:
「あのマンガは5巻までは僕の体験談を描いてるんです。僕、日本史は石ノ森章太郎先生の『日本の歴史』しか読んでませんから」

 

Memo →
編集者は作家の個性を尊重しつつ、作品のプロデュースもする。

 

終盤。佐渡島さんと加藤さんから見た中村さん像の話と、いまだ日本では花開かない電子書籍市場について。

佐渡島さん:
「中村さんがやっていることは分かりやすくて、シンプルで、見た目はカッコイイ。それってアプリも小説もマンガも実は一緒で、共通する面が非常に多い気がしている」

加藤さん:
「実は私もデジタルコンテンツをメインにしたいと考えていて、ダイヤモンド社を辞めるんです(会場:!)」

「例えば英単語帳って英語の部分を伏せて読んだり、発音記号を読み取って発音したりしますが、これもデジタル化すればエンタメにできますよね。で、今はそのプラットフォームもみんな持っている(スマホで)。紙の本よりも良くなるコンテンツがまだまだあるんです」

佐渡島さん:
「電子書籍について、Appleと話したことがあって。僕は、1個のすごいマスターピースを作れば、それによって電子書籍市場も拡がると考えていたんです。ビッグヒットが必要だと。でもAppleの人いわく、違うと。たくさんのコンテンツが揃っている方が市場を作ることになると。1つのヒットは1%のチカラしか持たないんだと言われて、なるほどなと思いました。だからまず作品が、Appleの場合だとiBooksに揃う必要があるんです」

Memo →
市場を開拓するには、ビッグヒット(質)の前にロングテールが成立する量が必要。とはいえ量を呼ぶ雪崩を起こすための質もどこかの段階で必要な気も‥‥

 

MENU1、以上です。だいぶ端折ったのでエッセンス版です。

講演後に河尻さんも仰っていましたが、漫画家と編集さんの関係性ってプランナーとクリエイティブディレクターの関係性なんだなぁ。編集者は作るところにもどんどん介入するし、送り届けるところにもあらゆる工夫を施す。ディレクションだなぁ。

「100万部売れると潰れそうな作家だと思ったら10万部売れた段階でプロモーションから手を引く」という話が印象的でした。
それと上には書きませんでしたが「自分の好きな作家とだけ仕事をしていきたいから、まず『ドラゴン桜』を売って成果を出して、自分のポジションを作った」という佐渡島さんの話も刺さりました。

 

というわけで、次回、

 

ジャパン・コンテンツの海外戦略密談。日本を導くテクノロジーとは?
猪子 寿之氏(チームラボ) × 後藤 繁雄氏(編集者)

 

とYouTubeセミナーはほとんどメモしないないので飛ばして、
(どっちも面白かったです!)

 

世界の広告はいま。今年のカンヌ100連発!
岸 勇希氏(電通) × 木村 健太郎氏(博報堂ケトル)
× 嶋 浩一郎氏(博報堂ケトル) × 樋口 景一氏(電通)

 

をメモしていきます。つづく