宣伝会議賞さらけ出す2014

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与沢翼 秒速でホームレスへ 涙の告白

『秒速で1億円稼ぐ男』の破綻に関する記事。

この『秒速でホームレスへ』という見出しは
素晴らしく味わい深い。

これが『与沢翼 転落人生 涙の告白』とかだったら
「ふーん」でスルーしてたかもしれない。

クリックさせる強力な見出し。
感銘とか感動とかはないけれど、人を動かす言葉。

 

By the way…

第51回宣伝会議賞の1次審査以上の全7047作品が収録された
SKAT〈13〉―SENDENKAIGI AWARD TEXT』が発売されました。

僕も2年ぶりに出して
少ないながらも1次・2次に残ることができたので、
記録もかねてここにさらします。

その前に、『宣伝会議賞』について
よく知らないうちの両親のために、おさらい。

エステー、キヤノン、サントリー、パナソニックほか有名企業40社が出した広告テーマに、一般から48万8916点の広告コピーやCMのアイデアが集結。

過去には糸井重里さんもグランプリを獲った、
「コピーライターの登竜門」と呼ばれる公募大会です。

で、『SKAT』という本は

そのなかから、日本の広告を導く名クリエイターが厳選した7047点を収録しています。この世で最もアツく、最もスマートな「言葉」の勝負が今年も繰り広げられました。51年目を迎えた日本最大の公募広告賞の、節目となる一冊です。

宣伝会議社の紹介文より)

僕は2006年(8年前!)の第44回で「奨励賞」をいただきました。
賞金は5万円だったので、今でいうシルバーに相当するのだと思われます。

当時のBlogエントリーを読み返すと

応募総数20万624点の中から
ファイナリストの14人に残ることができ

とあります。
でも今年は

 

2倍以上、 過去最高の応募数。

2倍以上、
過去最高の応募数。

 

ぐへぇ。

で、

 

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さらに、

 

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しかも、

 

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そして、

 

cac05

 

ここから、

グランプリ(賞金100万円)
コピーゴールド(同30万円)
CMゴールド(同30万円)
眞木準賞(同30万円)
シルバー(同5万円)

が1名ずつ選出されるという‥‥。

 

言葉が書ければ誰でも応募できそうですが、
プロのコピーライター、CMプランナーの審査を経て
『SKAT』に載る、さらに受賞するということは、
まぐれで選ばれる領域ではないと思います。

応募する人たちも1課題50本まで応募可能という制限の中で
MAXの2000本を提出する人がざらにいます。
それだけの、言葉のぶつかり合い。

 

そんな中で僕は今まで3回トライして、いずれも
30本くらいしか応募したことがありませんでした。

ナメてました。
反省しました。

今回は会社の後輩が「1000本は出す!」と奮起している中、
自分もいっちょやるか!と気合いを入れて

60本

出しました。

あいかわらず少ない。

書いたときも出したときも、
厳選して凝縮した60本だと自信満々でした。
ここから何十本残るだろう?くらいの気持ち。
なんですけどね。

見返すと、ひどい。

はい、うだうだ言ってないで、
残ったのはこれらです。

 

■ECC
〈ECCで外国語を習う動機づけとなるような広告〉

困っている人に声をかけられて、逃げた。

 

■牛乳石鹸共進社
〈「赤箱」を20代〜30代の女性の方に自分用だと感じてもらえるコピー〉

バスルームの日本代表です。

 

■BookLive
〈BookLive! の電子書籍サービスを使ってみたくなるコピー〉

読書家に見えないのが残念だ。

 

ずいぶんと引っ張っておいて、紹介は一瞬で終わり。

自分がコマを進められたのは上記の3本。
結果は1次審査が2本と2次審査が1本でした。

SKAT本誌より

SKAT本誌より

と、さらしてみたものの、大事なのはむしろ
SKATに載っている全国から集いし7044作品の方で。
「こんな視点があったのか!」と身悶えているところです。
自分、さぼってたなぁ‥‥。

(受賞コピーはこちらで見られます)

 

正直、コピーを考えているときは

「これはコピーで解決するよりも
こういうキャンペーンを張った方がいいのでは?」

とか、

「こういう運動を仕掛けた方が効果ありそう」

などと思うことの方が多かったりします。
手段から考えるという職業柄かもしれません。

ファイナリストに残った作品たちを見ても、

「なるほど、そんな視点が!」

と感嘆するものもありますが、

「いやそれは言葉遊びなだけでしょ」
「それで人が動くとは思えないなぁ」

と反発したくなることもあります。

なんというか、「宣伝会議賞っぽいコピー」というものや
「コピー風味」、「雰囲気コピー」と呼ばれるようなものが
この公募には集まりがちだなぁと感じることが多い。

コピーライターになりたがる=コピーになりたがるコピーを書く
という罠(?)にはまりがちというか。

仕事と違って、
みんなに開かれた公募なので、仕方ないかなと思います。

自分が書いたものでさえ、読み返すと意味がわからない。
牛乳石鹸で「バスルームの日本代表です。」って何がいいのか。
一次審査を通してくださった審査員の方には感謝ですが、
石鹸のシズルもないし、女性向けでもないし、うーん。

30代女性の自分の奥さんに聞いても
「はぁ‥‥で?」
と首をかしげられるだけなのでした。

出したときは自信があったのに。

それでも上位に残るために参加するのは
意味があると考えてて。

それはやっぱり、
厳しい審査をかいくぐって残ったものたちが
自分では発見できなかった視点を教えてくれるから。

「コピーじゃなくて新しい仕組みを作った方が効くのでは?」と考えるにしても、
じゃあその仕組みを先導する言葉を考えることがコピーを考えることになるし。

「コピーじゃなくて新しい仕組みを作った方が効くのでは?」という考え自体も、
視点を広げるためのブレストとしてはぜんぜん無駄じゃないし。

そして宣伝会議賞はコピーもしくはCMのコンテを
書いて出すことがルールの試合なわけだから、
そのルールの中でもがくのが正しい姿って当たり前か。

てな感じで、
30本とか60本とかしか出さないでいると
正しく楽しめないし、正しく悔しがれないんだなぁと気づけました。
レベルの低い気づきですね、今さら。

 

今週末は「秒速でホームレスへ」に感心しながら
『SKAT』の7000本(のうちのいくつか)に感嘆しています。

人を動かす、鋭敏な言葉が書けるようになりたい。

コピーライターの走る範囲

コピーの師匠・中村禎さんのBlog「コピーライターの未来は・・・」より抜粋。

 

レイ・イナモトさんの話にいろいろ刺激を受けました。「広告の未来は、広告ではない」「クリエーティブの階級制、職業名を取っ払ったほうがいい」「アートディレクターとコピーライターが一緒になって広告を作り出す手法は通用しないんじゃないか」「ART×CopyからART×Codeへ」と、これらの言葉だけ見ると、なんだ、もうコピーライター養成講座なんて意味ないじゃないかと思う人がいるかもしれませんね。でもレイさんは、コピーライターが不要だと言っているのではなく、コピーライターの役割が変わって来ていると言っているのだと思います。「コピーライターの未来は、コピーライターではない」と言えるのかもしれません。

(中略)

「コピーライターなんてカンタンになれる。名刺にコピーライターと刷ればいいんだから」これは、ボクの師匠の仲畑さんの言葉です。コピーライターやコミュニケーション・デザイナーなどカンタンになれる。名刺に刷ればいいんだから。そういう意味で肩書きには意味がないのだと思います。大事なのは、その人が優秀かどうか。いい人かどうか。柔軟かどうか。伝えるということをわかっているかどうか。

(中略)

コピーライターの走る範囲はどんどん広がっているのだと思います。インテルの長友のように走らなくてはいけないのです。

 

いやぁ、その通りだと思います。

学ぶとは、自分が感動すること。

8月に転職して、後輩ができました。
後輩?入社の年次からいえば先輩か。でも先輩は新卒なので、後輩です。

で、その後輩が部下につくというのが僕にとっては初めてで、企画のこと、インタラクティブのこと、コピーのこと、映像のこと、プレゼンのことなんかを、仕事を通じて伝授する日々です。

相手は歳(とし)が9つもちがう平成生まれの女の子なので、逆にネットでの流行りもののことや、彼女の好きなももクロのこと、もののふのこと、しおりんのことなんかを教わっています。数年間くわず嫌いで通していたももクロにここまでハマるとは‥‥という話はまた今度。

 

以前の会社では、5年間、愛あるスパルタ上司にみっちり鍛えられました。そこで教わったことにはこんな意味があったのか!と、教える側に立って今さら気づかされます。そこでまた自分が感動し、元上司から学んでいるという。とあるコピーライターの方が宣伝会議の講義前に「講義って講師がいちばん元を取ってるんだよね」とツイートされてましたが、まさにそんな心境です。

「学ぶとは、自分が感動すること。
 教えるとは、自分の姿勢を見せること。」

かつて通っていた中村禎さんのコピーライター養成講座(通称 中村組で受け取ったこの言葉をまた体感しています(この言葉について書かれた禎さんのブログはこちら)。そして「教えるとは、自分の姿勢を見せること。」ができてるのか?と自問自答したり、変な姿勢でいてもそれを「教えて」しまうんだなぁと恐怖したり。

なんと、後輩も今月から10代目中村組に通い始めました。私のお師匠さんのもとでみっちり叩かれてきなさい!と、朝ドラのヒロインを東京に送り出す母親のような気分です。母親はかつて世界を舞台に活躍したプリマドンナで、今は引退してなぜか長野の田舎でさえないけど心優しい旦那と豆腐屋さんを営んでいるという設定。娘は母親の影響で踊るのが大好き。そして今、母親が白鳥のように舞いながらも到達できなかった世界の頂点をめざして歩き出すーー。はたして、どんな試練が待っていることやら‥‥?つづく

ただ、思うんですが、この母親にもそうとうドラマがある気がする。なんで世界の舞台をかなぐり捨ててまでさえない男と駆け落ちしNYから田舎へ移り住んだのか?重大な故障をしたのか?それとも不治の病にかかったのか?現役を引退し子供を産み育てた覚悟とは‥‥?って、ぜんぶ僕の妄想ですし僕は現役を引退してません。僕もまた、精進します。

パーティーを続けよう。

あけましておめでとうございます。
一応ね、今年初Blogエントリーですから。謹賀新年。

2003年から続けている自分のライフログなので、
休眠していた年末年始~最近のログを書きます(こんなことの繰り返し)。

 

・Perfume 3rd Tour 「JPN」、神戸2日目とさいたま2日目に参戦!
 神戸へは、京都に住む5歳下の弟のアパートに泊まり、
 初めて弟の彼女さんとも会いました。照れる弟を初めて見た。

 そういえばPerfumeは、レーベル移籍
 日本国内のiTunesでも取り扱ってほしい&Blu-ray化に期待です。

スチャダラパー、かせきさいだぁの年末イベ!
 年末の話です。
 最前列で「今夜はブギーバック」!!最高です。

・小林賢太郎演劇作品『うるう』観劇。
 ひとりで世界をつくりこむ力量は今回もさすがのひと言なんですが、
 今回はそれにプラスして切なさを感じずにはいられない‥‥涙。

・三谷幸喜演劇『90ミニッツ』観劇。
 西村雅彦さんと近藤芳正さんの2人芝居は『笑の大学』の再来、
 的な話だと思ってたら全然。シリアス99%の現代劇、よかった。
 ここまで主人公に共感できないのに最後まで目が離せない話もない。
 人間や信仰のおかしみと残酷さを表現された近藤さん、ブラボー。

・雑誌『販促会議』のコーナーに寄稿。
 「これがプロの企画書だ!」という連載の2月分を書かせてもらいました。
 中身は昨年10月のコミュニケーションデザイン実践講座
 つくった企画書をご紹介。→コレ

・年間のクリエイティブいちばんを決める社内アワードでグランプリ
 社外のお客さんも招いてのプレゼン大会でプレゼンして、
 投票結果の末、いちばんを獲りました。素直に気持ちいい。

・人生初のJAZZ体験。
 東京駅の前にあるCOTTON CLUBにて、
 会社の先輩に誘われてダイアン・シューアさんの
 LIVEパフォーマンスを堪能。平日の夜にこんな贅沢があるなんて!

 

記憶に残った日々だけを抽出すると
とっても充実しているかのよう。これも僕のリアル。
仕事ばっかりしてちゃいけませんね。

今年は仕事も遊びも手を抜きません。

アドバイスの難しさ

以前にもちょろっと書いた「コミュニケーションデザイン実践講座」は最終的に6班中2位、準グランプリという結果に終わりました。悔しい!
ただ、終わってから講師の方に「一緒に仕事しましょう」と言われたことが最大の賛辞だったと受け止めています。

 

さて、6つの班に分かれてのプレゼン合戦だったわけですが、僕とは別の班のプランナー(仮にAさん)から、2回目の講座のおわりに相談がありました。

 

「同じ班の人と意見がかみ合わない。このままでは次の最終プレゼンでまた今日みたいに上手くいかずに終わって納得のいかないものになりそう。どうやってみんなの意見をまとめているの?」

 

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コミュニケーションデザイン

土日と体育の日で三連休でしたが、三連勤でした。
連休最終日は会社に泊まり、ぶっつづけの作業で朝を迎えましたが、土曜日の朝から夕方までは宣伝会議の「コミュニケーションデザイン実践講座」というやつに通ってました。

 

コミュニケーションデザイン実践講座

開催日 9月29日(木)、10月8日(土)、10月22日(土)【3日集中】
時間 10:00~17:15
講師
石田茂氏(電通)/岸勇希氏(電通)/木村健太郎氏(博報堂ケトル)

 

座学の講義ではなく、課題が出されてグループで企画を練り企画書を作って全員の前でプレゼンするまでを繰り返しながら、「コミュニケーションデザイン」を「実践」していく講座です。これが面白くて仕方ない。

メディアにとらわれないって、なんて夢が広がるんだろう。夢のままじゃいけないぶん頭使うし大変なんだけど、Webに限定しないってことが自分にとっては快感。年齢も経歴もちがうメンバーが集まってやる共同作業も、僕の班はいい人たちに恵まれたのか、とてもスムーズで楽しい。

 

先日は2回目、電通の岸さんとケトル木村さんによる回でしたが、「本気でやります」の宣言通り、本音がビシバシ飛び交う。詳細は書けないのですが、そんなスリリングな講評会の中でも僕らの班はなかなかの結果を(ひとまずは)出せたと思います。アイデアを評価されるって何よりもうれしいもんですね。自分がプレゼンターだったので喜びもひとしおです。

次回、2週間後の最終回に向けてさらなるブラッシュアップをせねば。

講座が終わって岸さんと名刺交換した際に、「コアアイデアがいいと、枝葉のアイデアも一気に拡がるんです」と言われたのが印象的でした。勝手にシナプスが繋がり合う瞬間というのが、たしかにあった。しかもプレゼンの15分前に。それまでは未完成もいいところで、一気に手直しをしたのでした。PC持っててよかった‥‥。

(他にも印象的な言葉だらけだったけど口外NGなので書けまへん)

 

今の仕事も同じで、ギリギリまでブラッシュアップしてたら連休とかなくなった。
楽しいしやりがいもあるんだけど、そろそろ宣伝会議賞の〆切も気になる季節。

あと、某テレビ番組に夫婦でちょこっと出演します。
10月は濃い一ヶ月になりそうです。

書く、消す、出す。を丁寧に。

ふと、思い出してこんなことを
Twitterにつぶやいてみました。

 

コピーライター養成講座に通っていた時、消しゴムや修正ペンを使わずに文字の上から間違い部分を乱暴に塗りつぶして提出する受講生が意外と多かった。ビックリした。自分が講師だったら注意して0点にするなぁ。

 

すると、恩師(@baccano21)から反応がありました。

 

即アウトにしてた。「伝える」ってことをわかってない人に何言っても意味ないから。

 

ひとりでも多くの心を奪いにいくのだから、下手くそな字でも、ゆっくり丁寧に書く人が好きです、僕は。

 

ですよね。

たぶん、ぐじゃぐじゃっと塗りつぶして
提出している人たちは、ぎりぎりまで
試行錯誤して、よりよいものを出そうとした。
だけど、これが履歴書だったら、テストの
解答用紙だったら、同じことをしたか?

紙切れの向こうにはターゲットがいて、
履歴書やテストの答案以上に
読んでくれるかどうかもわからない。
それが広告なのに、講座だから
必ず読んでもらえると思い込んでいる。
そこには、「自分はお金を払っている客だ」
という甘えさえ潜んでいるんじゃないか。

 

伝える側に立ちたいなら、
丁寧に書く、消す、出す。
まずはここからじゃないかと思います。
これなら僕にもできる。