ニューヨーク旅行記 Vol.4

Vol.4なのにまだ2日目です。

セントラルパークに着きました。

ホテル(青いピン)から北へ歩くこと40分(寄り道、食べ歩き含む)。セントラルパークの左にあるのが自然史博物館。右下にはApple Store ニューヨーク5番街店。

ホテル(青いピン)から北へ歩くこと40分(寄り道、食べ歩き含む)。セントラルパークの左にあるのが自然史博物館。右下にはApple Store ニューヨーク5番街店。

昨日とは打って変わっていい天気。

公園内を突っ切る広い道路を、色とりどりの自転車がシャーッと軽い音を立てながら走り抜けます。

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気持ちいいだろうなー。

 

リスも無警戒。

リスも無警戒。

 

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子どもたちからもチップもらえるのかなー?と心配になったり。

 

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『レオン』でマチルダが狙撃訓練をするためにジョギング中の要人を撃った、パインバンク・アーチを越えて、ベセスダの噴水へ到着。

ここは『ホーム・アローン2』で使われていたらしいけど、むしろ全体的に『レオン』でしょう?というわけでStingの「Shape Of My Heart」を聴きながら散策。

ロケ地として知っている場所でそのサントラを聴きながら歩くというのは、実に厨二病的で楽しいです。同じくNYを舞台にした『プラダを着た悪魔』もよく合う。

 

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右に小さく写っているのが『glee』でフィンとレイチェルが再会した橋。と、いちいち何のロケ地だったかに思いを巡らせつつ歩いていたら、うっかりジョン・レノンの追悼碑を追い越して目的のアメリカ自然史博物館へ。

 

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おぉ!『ナイトミュージアム』!!

 

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入っていきなり首の長ーいバロサウルスと肉食のアロサウルスが迎えてくれます。
レプリカではなく本物の骨だとか。

入場券と、『地球の歩き方』でオススメされていたプラネタリウムのチケットを買って入場。子どもの頃から恐竜好きが高じて恐竜の絵ばっかり描いてた人間としては、この景色はもう夢のよう。もともと子ども向けを意識して展示されている博物館らしく、たしかに展示の仕方がサービス精神旺盛です。

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まぁ、どこの国でも肝心の子どもはNINTENDOに興じてるわけですが。
隣のお父さんはうなだれてるし。

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約3000万年前に生息していた、地球最大の陸生哺乳類(サイ)だそうです。
でかい。

 

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キタ!トリケラトプス!!

小学生(9歳くらい)の時にZOIDSというプラモデル風おもちゃのマッドサンダーを買いました。あれがトリケラトプス型で、当時、好きすぎて庭でジオラマをつくり、リアリティを出すために爆竹をつけて灯油で燃やしてしまいました。どろどろに溶けました。

 

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合掌。

 

広大な自然史博物館は、化石や生物だけでなく人類の文化や歴史にも精通した展示で、46億年の地球史として見ても楽しめるし、収蔵品の2%しか展示されていないという化石や精密なジオラマを造形物として楽しむこともできます。

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ワケもわからず巨大なマラリア蚊とか。

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やたら怖い人形とか。

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実物大のシロナガスクジラとか。
こういう場所で寝転がれる施設の懐の深さ、ステキ。

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ヒグマと子どもとか。実に精巧。子どもは動きます。

 

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生態系とか。

 

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ティラノサウルス・レックスとか!

 

見応えがありすぎてぜんぜん前に進まないうえに館内が広すぎて道に迷ってしまいましたが、オフィシャルのiPhoneアプリで現在地から目的地までガイドしてくれて助かりました。この館内Mapを頼りにプラネタリウムへ。

NASAの監修によるプラネタリウム『JOURNEY TO THE STARS』は、ウーピー・ゴールドバーグのナレーションとともに、朝のセントラルパークのシーンから始まります。太陽が昇りきると同時に、一気に宇宙空間へジャンプ。美しくドラマチックな宇宙の生い立ちは、これまで見たプラネタリウムの概念を覆すほど。

 

おなかいっぱいになって、ふたたびセントラルパークへ。

 

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草野球を眺めるカップルを眺める。

すっかり疲れてしまい、帰りはおとなしく地下鉄に乗って10分ちょっとでホテルへ帰着。ベッドで体力を回復させて翌日に備えます。いったんセーブ。

Vol.05へつづく!

ニューヨーク旅行記 Vol.3

NY旅行記 Vol.03。過去の記録はこちらから。

 

NY滞在2日目。7月16日(月)、朝5時に目覚める。
時差ぼけはないと思ってたのに意外とそうでもないみたい。

眠らない街、ニューヨーク。

眠らない街、ニューヨーク。

 

枕元の電気をつけて、旅の前に日本で本を裁断→スキャンしてiPadに入れておいた『地球の歩き方』や『ニューヨークおしゃべりノート』を開いてぱらぱらめくる。

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あぁ、そういえばまだノープランだったわ。

まるでオリエン資料を読み込むかのように文字を追い、気になった箇所にしおりをつける(といってもi文庫ってアプリ上でしおり登録していく)。そしてまっさらな旅ノートに行きたい場所と住所、行き方、有料の場所は値段を書き出し、1日の行動予定を見える化。意外とこの瞬間がいちばんワクワクする。

余談ですが、旅のガイドブックをiPadに「自炊」してきたのには理由があります。それは、どのガイドブックにも「NYの街中でガイドブック片手にぼーっと立っているなんて窃盗犯にとってはいいターゲット!」と書かれていたから。だったらiPadに入れておけばむしろデキル男っぽくていいんじゃね?と。それに荷物もかさばらないし。実際、行く先々でものすごく役立ちました。電池の持ちもiPhoneよりずっといいし。Googleマップのリンクも記事に埋め込められたら最強でしょう。そもそも電子書籍が充実してきたらこんなことしなくて済むわけですが。

2日目はまず地理と交通路を頭にたたき込むために、タイムズスクエアを抜けてアッパーウェストサイドのセントラルパークまで歩いて、適当に散策したら自然史博物館へ行こう。そして翌日以降はブロードウェイ・ミュージカルとメトロポリタン美術館とMoMAとSOHOとJazzへ繰り出そう。あとグラウンドゼロにも行っておきたいな。けっこう過密スケジュールだな‥‥zzz‥‥。

 

午前9時、満充電のiPhoneとiPadとこの旅のために買ったCyber-shotをカバンに入れて、いざ自然史博物館へ!

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日本語があると反応してしまう。

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アジア人がいると反応してしまう。

のは最初のうちだけで。

 

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徒歩10分ちょいでタイムズスクエア駅。BATMAN!!!
全米公開の4日前。さすがゴッサムシティ=NYだけあって、どこもかしこも『THE DARK KNIGHT RISES』のビルボード。とにかくデカイ!かっこいい!長辺そろえないとかアリなんだ!!

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縦構図で。デカイ!かっこいい!

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別アングルで。デカイ!かっこいい!

 

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なんて興奮気味にビルボードばかり撮りながら歩いていたら、ひときわカラフルな、テレビでよく見る交差点に出ます。

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『glee』で観た場所!(つくづくミーハー)

I Love New York〜♪ まったく一緒だ!(当たり前)

 

何時間いても飽きない場所。ただ、ものすごく暑い‥‥。日本ほど湿気がないとはいえ暑いものは暑い。ホットプレートばりに熱せられた階段から立ち上がり、iPodの曲をgleeのサントラから葉加瀬太郎の『エトピリカ』にセットして一路、北へ。

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「なにも成し遂げていないのにNYのど真ん中で情熱大陸でも聴いてその気になってきてよ」という妻の発案を思い出し、やってみたら本当に「なにかを成し遂げた感」がハンパない。京都でMy favorite thingsを聴くくらいのフィット感。しかし一緒に来られなかったことが本当に悔やまれます。妻には本当に迷惑をかけてきましたからね‥‥とかカメラクルーに向かって話しながら歩きたくなる。

 

途中、SUBWAYで日本の倍ほどはあるターキーブレストを食べて(あのヘルシーが売りのSUBWAYがこのボリューム!)、炎天下の下を歩くこと30分。セントラルパークへ到着。この時点でかなり脚が棒。

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着いたー!Vol.04へつづく!

ニューヨーク旅行記 Vol.2

Vol.01はこちらから。

 

ニューヨークの中心部、タイムズスクエアからすこし南に下がったところに、HOTEL PENNSYLVANIAはあります。

 

青いピンがホテルのある場所。歩いて10分くらいでブロードウェイ、タイムズスクエア(中央の濃いピンク)へ行ける好立地。

青いピンがホテルのある場所。歩いて10分くらいでブロードウェイ、タイムズスクエア(中央の濃いピンク)へ行ける好立地。

 

hotel-penn見た目は重厚で立派だけどランクは決して高くない、一泊1万円以下の中級ホテル。日本のレビューサイトを見ると「ゴキブリが出る」とか「照明が暗い」とか「冷房壊れてる」とか、わりと酷評のオンパレード。

だけどブロードウェイまで歩いて行ける立地は最高で、どうせ一人だしノープロブレム。覚悟したよりもぜんぜんきれいで、『LEON』でレオンとマチルダが逃亡に使ったホテルよりはずいぶんマシ。

チェックインを済ませたのが夕方だったので、とりあえず荷物を置いて近所を散策。
家から自転車で10分の新宿だって高層ビル群なのに、建物と空を見上げるのが楽しい。ビル影からスパイダーマン出てこい。

 

あ、目の前に‥‥あれは‥‥?

 

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エンパイア・ステート・ビルディング!
ホテルから歩いてすぐでした。

さっそく中に入ってみた。

 

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日が暮れたあとだったけど上に昇ってみた。

 

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すごい‥‥。
(この1週間は何を見ても一人で感嘆するしかないのか〜)

右に白く光るのはクライスラービル。
もともとはクルマのクライスラー社が持ってたビルだけど今はアラブのファンドが7割以上の所有権を持っているとか。アール・デコ調のデザインが異彩を放っています。

あぁ何時間でも見ていられる。人間のエネルギーが一粒一粒の明かりからふつふつとわき出ているような錯覚を覚えます。なんてパワフル。

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このビルは『アメイジング・スパイダーマン』で観たな。

 

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全体的に、ガラス張りの近代的なビルと1900年代初頭に建てられたネオ・バロック様式のビルとのコントラストが、東京とはちがった奥行きをつくり出します。この生きた歴史のあり方はうらやましいけれど、日本より地震が圧倒的に少ないから許されることだよなー。東京駅はぜひとも今後も保護されていってほしいなぁ。

 

不意に、遠くの空で雷鳴が轟きはじめました。

 

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かっけえ!
『ゴーストバスターズ』みたい!!

 

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マシュマロマンが現れるぞ‥‥。
(さすがに雷を撮ることは至難の業なのでムービーで録画して静止画に)

 

思いがけずはじまった大自然と摩天楼との光のショーを存分に堪能して、タコスを食べてホテルへ。心配していた英語もタコスのオーダーレベルなら問題なし。ふだんから徹夜生活なのでこれといった時差ぼけもなく就寝。初日としては最高のスタートです。

 

翌日はタイムズスクエアとセントラルパーク、そして自然史博物館へ!
というわけでVol.03へつづく〜。

ニューヨーク旅行記 Vol.1

7月15日(月)〜21日(土)の1週間、単独でニューヨークへ行ってきました!
これから何回かに分けて記録していきます。

そもそものきっかけは、前の会社の上司にそそのかされて。

「エンターテイメントの本場を一度は見た方がいいよ」

わりと他人の発言を鵜呑みにして行動に移す単純野郎です。
何にでも乗っかってみるのがポリシー。

当日の直前まで荷造りもせず、辞めたはずの会社の企画書を書き上げ、旅の計画も立てないままに成田から12時間のフライトを経て‥‥

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I’m in New York!360°Times Square!!

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とりあえず着いた!!!

 

ここからは時系列に沿って書きます。

15日の月曜日、15時にJFK国際空港に着いて、空港のカウンターでシャトルバスを予約して待っていたら、こっちだよと手招きする黒人さん。あれ?予約して5分しか経ってないのにもう来た?

と思ったらぜんぜん違うアンオフィシャルな白タクシーの業者でした。おぉこいつに騙されて乗っていたら法外な値段をふっかけられたところだった‥‥。着いて早々、NY観光の洗礼(?)を受けそうに。こえええええ。

実際はこいつに乗り込みます。ぼくの泊まったHOTEL PENNSYLVANIAまではチップ込みで$25。

実際はこいつに乗り込みます。ぼくの泊まったHOTEL PENNSYLVANIAまではチップ込みで$25。

予約した方のシャトルバスに揺られること1時間。
ラジオから流れるGAGA様がむしろ日本を思い出させる。不思議。

田舎のハイウェイから徐々に都会へ‥‥。

田舎のハイウェイから徐々に都会へ‥‥。

などと想いにふけっていたら、『ロボコップ』や『アメリカン・ビューティー』や『グラン・トリノ』で主人公が住んでいたような寂しげな郊外を抜け、橋を越えるとそこにはコンクリートジャングルが!ゴッサムシティが!(実際、ダークナイトの舞台になっているのはNY)

gotham

ばばーん

 

というわけで、空港で道に迷っていた関係で18時にホテルにチェックイン。
つかの間の無計画NY観光がスタートしました。

Vol.02へつづく。

studiousを思い出せ。

CANNES PANTSU 2011

 

去年のカンヌで撮った1枚。
角を曲がったところのアパルトマンでこれ見よがしに干されていた白いパンツ。
南仏の西日に照らされて輝くパンツライオン。

 

博報堂アイ・スタジオを辞めましたBlogを書いて、スタジオというフレーズが過去のエントリーを思い出させてくれました。

 

studious – 創造の磁場

熱中している時ってどういう時かというと、自分がない状態なんですよ。で、自分がないってことほど幸せなことはないんで。ぼく、その幸せな状態を「ステュディオス(studious)」っていう状態だと思うんです。

「ステュディオス」から派生した言葉の「スタディ(study)」は、単に「勉強」って直訳されますが、一般的に「勉強」って言葉ってすごく義務的な語感があると思います。そうじゃないんですよ、本来のstudiousは。夢中になって、のめりこむような状態。たぶんラテン語だと思うんですけど。

たとえば白金スタジオでもナントカスタジオでも、「スタジオ(studio)」ってのは、みんながあるものを撮影する‥‥あるものを作るときにみんな熱中して、みんなが集中して自分を忘れて作る場ですよね。(中略)生き生きしている状態が自分がない状態ってのは変なんですけどね。(中略)Crazyですね。

 

佐藤雅彦さん
(メディアクリエーター、東京芸術大学大学院映像研究科教授、慶應義塾大学環境情報学部特別招聘教授)のことば。

 

同僚によく話してました。「だから俺たちはもっと熱中しなきゃ」と。

転職のご報告

2ヶ月ぶりの更新です。
この2ヶ月、いろんなことがありました。

まず、7月15日〜21日までの1週間にわたるニューヨーク1人旅!

の前に、順を追って書くことにします。一応、自分のライフログですから、時系列に沿って‥‥。

 

2012年7月12日、6年3ヶ月間プランナーとして勤めてきた博報堂アイ・スタジオを辞めました。

Twitterでぼくをフォローされている方ならご存じだと思いますが、とにかく残業のおおい日々でした。平日は深夜2時3時のタクシー帰宅か、早くて終電。土日もどっちかは丸一日仕事。朝も8時に起きて昼まで企画書作成(←これは繁忙期だけ)。これがフツーでした。

Webなどインタラクティブ広告を扱う制作会社なので、そういった業界的な忙しさはあるにせよ、その業界の方から見ても「働き過ぎじゃない?」と言われるほどの忙殺っぷりがつづいた6年間でした。ふつうはもうすこし忙しさに波のある業界ですし、おなじ社内でももっとマトモな生活をしている方もいましたが、自分はこれがデフォルト。

忙しいのは楽しいものをつくるための代償なので、企画が楽しいと思えている間は大丈夫です。

実際、自分が関わっていたチームのみんなは社内でもいちばん生き生きしてるんじゃないの?と思えるほど輝いていました。そういう瞬間まで突き詰められるメンバーがいるからこそ、どうしても帰宅は深夜に及びがちでした。そのこと自体は文化祭前夜っぽくて楽しい。企画が難産になって12時間ぶっつづけでMTGしたことなんかも、そこまで付き合った間柄だけのいい思い出です。

 

ただ、そうではないことで心が折れそうになることも、理不尽なことも多々ありました。そりゃ社会人ですから、当然いろいろあります。いろんなクライアント、いろんな事情、いろんな不具合。制作会社としては大所帯の200人超にもなる組織ですから、いろんな人もいます。ですが、このBlogでは、いろんないちいちを「いろんな」で片付けます。なぜなら、会社がイヤになって辞めるわけじゃないから。

 

むしろ、カンヌにも連れて行ってもらい、宣伝会議のコピーライター養成講座にも通わせてもらい、さまざまな仕事上のチャンスをもらい、出会いがあり、恩返しせずに去ることに申し訳ない気持ちの方が勝っているこのごろです。

2011 Cannes Lions

カンヌにも派遣させてもらいました。

さらに、5年目を迎えた頃から、「いろんな」をひとつひとつ分析して上司や役員に意見するようになりました。意見できるようになったと言い換えた方がいいかもしれません。自分をプランナーとして丸4年にわたって育ててくれた元上司から巣立ち、仕事をカタチにしていく中で自信がついてきたんだと思います。

ブレストの仕方について、職場環境について、優秀な人材を留めるアイデアについて、企画力を高める方法について、人材育成について、レポートにまとめて社内共有したり社長に手紙を書いて目の前で読み上げたり、とにかく自分の中でグチとして抱え込むのではなく解決策にまで落とし込んで、仲間を巻き込みながら改善していこうと動きました(一度書いた上申書をまず妻に見せたら「代案が書かれていないから却下」と捨てられたのはいまでも鮮明に覚えています)。

その成果が見えたものと見えなかったものの両面がありますが、「いい仕事をする」ことと「いい仕事をするための場をつくる」ことの2つに取り組めました。そして、そのためのアクションを起こす術が身に染みこみつつある時期。

 

 

賞を目標に据えるのは本末転倒、仕事はクライアントや世の中のため‥‥と考える目線があるのも理解しつつ、自分は超シンプルな目標を立てた方がそれらの正論にも応えられると感じています。だからこの超シンプルな指針は自分を動かすのに足るものでした。

しかしこれにはカンヌはじめ数々の賞を獲っているT上司の言葉が「蓋」になっていました。

「この会社でカンヌが獲れないんならどこへ行っても獲れない」

と。その通り。

実際はこの発言を受けたのは2011年の頭のことで、それで、やはり転職を考えていた当時、もう1年間がんばることに決めたのでした。

が、自分の力不足でショートリストから外れ、また種まきからはじめることになった今年、組織の問題も改善したくて動きだした時期に

「組織を変えることに自分の時間を費やすな。徹底的に分析をし、理想とする組織へ転職するか自分でつくるかをして、今いる組織を超えた方が早い。人生は短い」

という一説をある本で読み、あ、これだ、と。
わりと他人の発言を鵜呑みにして行動に移す、単純野郎です。何にでも乗っかってみるのがポリシー。

「この会社でカンヌが獲れないんならどこへ行っても獲れない。けれど、この会社で獲らなきゃいけない理由もない。この会社に足りないものがあるとすれば‥‥」と分析し直しました。

恩返しできてないと言っておきながらそれはないんじゃない?と自分でも思いますが、時間がない。気づいたらもう32歳。新卒で入ったこの会社から環境を変えずにこのままやっていっていく先の未来は、なんとなく想像がつく。仲間たちとの仕事はほんとうに刺激的で楽しいけれど、自分のさらなるバージョンアップを考えれば、上記の指針を胸に外へ出るにはいいタイミングなんじゃないか。というか、この踏ん切りをどこかでつけないと自分は埋没してしまう。

 

そんな風に考え出した、そろそろ今年のカンヌライオンズの動向が気になり出すころに、昨年の自分が行って見てきたカンヌからの帰り道を思い出しました。

 

 

いま最も勢いのあるインタラクティブ系制作会社のひとつ、BIRDMANの社長、築地ROY良さん。昨年のカンヌで知り合い、成田空港から新宿までのバスの中でたまたま隣同士になって「クリエイターの挑戦する生き方」と「理想的な組織のあり方」についてお話を伺えました。これがほんとうに刺激的だった。さらに自社の将来について赤裸々に書かれたBlogインタビューを読み、面白いぞと。なにより創業者がここまで熱く語っているのは信頼が置けるし、いまの自分には新鮮でした。

そんな出会いが忘れられないまま1年ちかくが経ち、Facebookで自分の将来について伺ってみたところ、話はとんとん拍子に進み、いちどランチを挟み、あとは「入社時期はいつにする?」という段階まですべてFacebookで決めるほどになり‥‥

もちろん、Facebook Messageのやりとりの前には前職の会社の上司ともだいぶ話し合いました。こっちは直接。ありがたい言葉をたくさん掛けてくださいました。会社の利益ということではなく「同志として」(←上司談)引き留めていただきました。なんかもうそのことに満足しちゃって、自分もついに引き留められるほどになったのかと思うほどに意志も固まり(我ながら天の邪鬼ですね)。最終的には背中を押してもらったと自分では受け止めています。

 

長々と書いてきましたが、元はといえば上記のT上司が僕をカンヌ派遣員に猛烈プッシュしてくれて、行った先で次に入社する会社の社長と出会い、今度は上司の期待をなかば裏切るカタチになってしまい‥‥ぼくとしてはすべて導かれるように進めてきた結果だと思っていますが、はたしてどうなんでしょう。すべてはこの先の自分のがんばりにかかっていると言い聞かせています。

 

というわけで、どこにでもある平凡な転職です。Facebookでほとんどのことが決まって、履歴書も出さずに内定したことは平凡ではありませんが。

でも、どんな平凡な転職の中にも、人がいます。ぼくの人生に関わってくれた人たちがいます。送り出してくれた人たちにぼくなりの、新しい環境なりの方法で恩返しをしなきゃ。

前の会社の社長は言いました。「自分の中のタイを持て。タイを大切にしろ」と。やりタイ、なりタイ、つくりタイ。それで鯛のキャラクターまで作っちゃうセンスにはとうとうついて行けぬまま去りますが、この言葉自体には正直でありタイと素直に思いました。そして。

スマートフォンとタブレットの普及でまますますインタラクティブと生活者が密着しているこの時代、インタラクティブの制作会社でプランニングの仕事をつづける喜びをもっとつよく噛みしめていきたい。もっと面白いものを作りつづけていきたい。心からそう思っている今日このごろです。

6年3ヶ月もの間、ありがとうございました。