ジャッキー

夜中にラーメンを食べようと、ひとり近所のラーメン屋へ出向いた。

うちの近所というのはここらじゃちょっとした風俗街で、
今夜もたくさんの女性が客引きに必死だった。
そんな中を抜けて進むのはもう五年もやっていることなので、
いい加減向こうも顔を覚えてくれて、僕だけを無視してくれる。

ラーメン屋に着いてメニューを見ようと思ったその時、
女性客が2名入ってきた。

ジャージにウィンドブレーカー。
中国系の出稼ぎ風俗嬢だ。それは別にいいんだけど、
その2人が入るなり大声で喧嘩を始めたのである。

制止する店員も軽視するお客も無視して、
2人は流暢な中国語で言い争っていた。
すごい早口。きっと全部漢字。我怒心頭。
もしかして2人は台湾の人で、総統選挙の結果で対立してるのかな?
とか思ってもサッパリわからん。

 

しばらくして僕の席にチャーシュー麺が届いたが、
彼女たちの怒りは治まる気配もなくまだ続けていた。
その後ろで僕は、なんとなく本場中国で食べているような
気分になって、いつもより美味しく頂いた。

これで店の頑固オヤジがでかい包丁を持ってきて、
外のバスにジャッキーが傘でぶら下がっていたらベストです。